初めての証人

 

遺言書の証人依頼をいただいたのは、
開業して1ヶ月が過ぎた頃でした。

 

依頼者は、
セミナーで講師をしていた先輩行政書士の方です。
遺言書の公正証書を作るためには、
証人が2人必要です。
それは、この時に初めて知りました。

 

予めやることとして、
公証人さんに身分証明書を
ファックスする作業がありました。
生年月日や住所、名前が必要なようです。

 
行政書士として証人になるため、
簡単に受けてはいけないことなのだなと感じました。

 

開業当初は何かと無知なため、
経験して分かることはとても多いです。

 
もしかしたら「そんなことも知らずに開業したの?」と、
思われるようなことも多いかもしれませんが、
頭で知っているつもりになっていることと
経験して知っているのは、結構違うような気がします。

 
何事も経験してこそ、
行政書士として一人前に近づくのではないでしょうか。

 

さて、この依頼を受けた時に、
私は報酬について聞けずにいました。

 
先輩行政書士ですし、
セミナーで講師をしていた方となると、
かなり格が上に感じられますし、
何を聞いたら失礼なのか、判断が付かずにいました。

 

そこで、1年開業が早い行政書士の方に、
思い切って相談してみることにしました。

 
私には、知らないことが多過ぎましたので、
考えても分かるわけないと判断したのです。

 

相談すると、先輩行政書士は言いました。

 

「証人は身分を貸す仕事なのだから、
報酬は必ずもらわないといけないし、
先に確認した方がいいよ!」

 

勇気をもらい、すぐに依頼者に確認したところ、
1万5千円をいただけるとのことでした。

 
交通費も込みでしたが、
私には充分な報酬に思えました。
確認して良かったと思いました。

 

当日は、証人という立場で、
公証人さんともご挨拶出来ましたし、
遺言の内容も聞け、とても勉強になりました。

 

実は、
依頼いただいた先生にはランチまでご馳走になり、
今後の行政書士としての
事業の考え方までレクチャーを受けました。

 
たくさんのセミナー講師をこなしている方だけあり、
とても分かりやすく教えてもらえました。

 

何だか報酬を自分から聞いてしまったことが
恥ずかしくもなりましたが、
先に聞いておいたことで、
安心してお手伝いすることが出来たのも本当です。

 

この辺りは、
相手の方の性格にもよるかもしれませんが、
気になることは
先に聞いておくのもいいかもしれません。

 

 
 

 

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