成功している起業家に聞いた成功のコツ  前半 起業と乗り越えて来たこと

名古屋TERACOYA パネルディスカッション「起業家が流さないといけない大量の汗とは」

 

2015年12月26日に開催された日本最大級の起業家イベントTERACOYAで、起業家たちのパネルディスカッションを聞いてきました。

今月の「マーケティング・経営戦略」のコーナーでは、起業を軌道に乗せ、成功を手に入れるヒントが提示されたこのパネルディスカッションの様子を2回に分けてお伝えします。前半は「起業と乗り越えて来たこと」です。

 

パネリストは、モデレーターも務める株式会社ウェイビー代表取締役伊藤健太さん、一般社団法人festivo代表理事塚本貢也さん、一般社団法人UP代表理事山下大輔さん、エックスモバイル株式会社CEO木野将徳さんの4名。
モデレーターからの質問にパネリストが順に答えて行く形式で進められ、起業のキッカケに始まり、VC(ベンチャーキャピタル)を入れる際の諸注意にまで及びました。

 

まずはそれぞの自己紹介から、4人が現在どんな事業に取り組んでいるのか話してくれました。
最初に話してくれたのは、大企業からの転身を果たした、festivoの塚本さんです。

年商一億を目指し、大企業を辞め起業しました。
大企業では遺伝子(ゲノム)の研究に取り組んでいて、特に初期の癌治療に役立つ研究を進めていました。
企業内でも功績が認められ、25歳でシンガポールに渡り、給料もかなり良かったんです。そこで投資をして、更にお金を増やしました。
3・11の時に思うところがあり、それを機に、起業支援の法人festivoを設立、今に至ります。(塚本さん)

次は22歳の時に起業、30歳にして4つの会社の代表を務める、山下さんです。

5歳の頃からバス釣りをしていて、好きなことだけしていたいという気持ちが今の仕事になっています。
ブラックバスの釣り場は、実は年々減っていて、原因の1つにゴミの問題があります。これを解決したくて、毎朝4時に起きてバス釣りをして、ゴミを拾って、それを毎朝発信しています。
ブログやツイッターで発信しているうちに、まったく知らない人が共感してくれてゴミを拾ってくれるようになり、今、その輪が広がっているんです。
とにかく15分でもいいから、毎朝バス釣りとゴミ拾いをする。これを続けています。
ゴミを拾ってくれる人たちのことをポリスと呼んで、仲間を増やしています。(山下さん)

木野さんは18歳で起業、27歳までに10社くらい作っては失敗して来たそうです。

18歳から27歳まで、名古屋で10社くらいの会社を作ってはダメで、マレーシアに行きました。(木野さん)

マレーシアでは、胡蝶蘭を日本に輸出していたようですが、この時にエアアジアという格安航空会社の存在を知り、格安モバイルを作れないだろうかという発想に至ったようです。
運命の出会いは、マレーシアから日本に帰る便の中で起こりました。隣の席に偶然座った男性が、大手通信事業の会社の役員を辞めたばかりの人で、彼も日本の通信事業に疑問を持っていたのです。
飛行機の中で6時間、通信事業の将来について話しが弾み、帰国後、一緒にビジネスプランを作ることになったと言います。
エックスモバイルの始まりです。

 

さて、最後はモデレーターでもある、ウェイビーの伊藤さんです。ご存知の方も多いと思いますが、行政書士法人の代表行政書士でもあります。

23歳の時に5万円で会社を設立し、今は6期目、30人くらいの会社になりました。
売上は1~2億というところです。
今日のイベントTERACOYAはウェイビー主催ですが、運営は若い人たちに任せています。(伊藤さん)

 

Q: あなにとって起業とは何ですか?

 

まずはバス釣りの山下さん。日銭の稼ぎ方がリアルで面白かったです。

自分のしていることが起業だとは考えたことがないですね。
中学生の時のお小遣いが2500円で、欲しいものが買えなくて、どうしたら買えるのかなとか、ずっと思っていたわけです。
16歳の時に初めてフリマを体験するんですが、この時に2万8千円になったんです。これはいい!と思って、フリマに出せるものを見つけるために、ゴミを拾ったりして。
そのうちにコケが売れることを知って、コケを採ったり、コケ玉を作ってブログ書いて、全国から注文をもらったりするようになりました。結構良い値段で売れたんですよ。
法人化したのは、イベントなどをやる時に会場を借りるために、法人にする必要がありました。そんなキッカケなので、起業って感じではないんですよね。(山下さん)

塚本さんの答えもシンプルでした。

好きなことを好きなだけ好きな人とやれる。これが起業だね。(塚本さん)

木野さんの起業の理由は、18歳の時のとは思えない、現実的なものでした。

起業のキッカケは、勤務先(お店)がなくなったことです。
もともと周りに自営業が多かったので、起業に抵抗はなかったです。(木野さん)

ここで伊藤さんが、起業の仕方について疑問を呈します。

起業って、学問ではないと思うんですよ。
どうもアカデミックなアプローチが多いように見えるのですが、皆さんはどう思いますか?
まずは目的が重要なんじゃないかと思うんですが。(伊藤)

塚本さんも同じ考えのようです。

年商1億くらいまでは、戦略なんて要らない。
経験がないけどやってみないのが起業家。そして、商品が出来たから売るのが事業家でしょ。
この2つには学問なんて必要ないでしょ。
その後、大きくなるなどして、ガバナンスが効かなくなって、何とかしなくちゃ!ってことになる。これが経営者の段階。
ここで学問が必要になって来るんだけど、逆にここはサラリーマンでも出来る。(塚本さん)

木野さんは、初めから事業家だったようです。

自分の場合は、まずシェアを取ることだった。目標を掲げて、まずは今日のことをやる。
事業の立ち上げ時には50万しかなくて、とにかくお金を借りまくった。
最終的に黒字になるまでに、12億の借金をしました。
世界中の携帯、スマホを買って研究したので、その購入だけでも1億はかかりました。(木野さん)

木野さんの桁違いの借金の話には驚くばかりです。
これについては、次の質問の答えとして続きの話がありました。

 

Q: 乗り越えたことを教えてください

 

木野さんはやはり借り入れの話です。

乗り越えたのは何と言っても資金繰りです。
毎月4000~5000万が必要なので、これを資金繰りマラソンと題して、あといくら!みたいなことを毎日やりました。
もう、常に困っている状態です。
電波代に3000万払って、それに対して、3000円のお客様を積み重ね行くんですから。

山下さんは、人の問題のようです。

周りが乗って来ないのが一番キツイです。
自分は自分のやりたいことしかやりたくなくて、それを周りに協力してほしいんです。
誰とやるかは、とても重要になりますね。(山下さん)

ここで伊藤さんから、誰にでも出来ることは人に振りたいよね、という言葉を受け、

実はネイルサロンの経営もしているんですが、スタッフを採用する時には未来に向けたポテンシャルを感じる人を採るようにしています。
過去とか今のことではなく、未来の話が出来る人って、いいですよね。
あとは、1人で考えたり、動くことも大切にしています。

塚本さんが乗り越えたことは、またちょっと違います。

起業はゲームみたいなもので、どう転んでも失敗とは感じない。
そして、常に危機感はあります。

つまり、乗り越えたという感覚とは違うということでしょうか。
常に闘っている感じ、いいと思います!

 

さて、後半も「失敗したくない人へのアドバイス」や「これから起業する人へのメッセージ」など、気になる話がたくさんです。
「成功している起業家から聞いた成功のコツ 後半」はこちらへ

 

 

 

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