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開業について考えよう その1

開業について考えよう その1

 

新年を迎え、気持ちも新たに目標に向かって進み出している今、改めて開業について考えてみましょう。
実は開業にはいくつかのやり方があります。
行政書士登録をした人すべてが、事務所を持って独立しているわけではないのは、ご存知の通りです。
では、どんなやり方があるのか、ここで整理してみましょう。

 

行政書士として仕事をする方法

 

①独立開業

自分の事務所を持って開業するのは、多くの人が憧れるスタイルでしょう。
この場合、自宅開業と事務所を借りて開業の2つのパターンに分かれます。
また、地域によって事務所要件が多少違いますが、シェアオフィスや合同事務所の中で机を借りるやり方でも大丈夫な場合もあります。
自分の地域の要件をしっかり把握し、同じ支部の先輩行政書士のアドバイスを聞いてみるのもお勧めです。
②兼業

いきなり仕事を捨てて行政書士一本で行くのは怖い!と言う人も多く見受けられます。
週末起業型の行政書士や、塾講師のような夜の仕事との兼業、あるいはライターなどの個人事業との兼業をしている方はよく見かけます。
私の知る限りでは、週末起業型は、上手く行かないようです。顧客を抱えている場合はいいのでしょうが、経験、人脈共にない場合、週末だけ行政書士の仕事をするというのはなかなか大変です。
本業が忙しければ、尚更です。土日はどうしても休息優先になりますからね。
塾講師や個人事業との兼業の先生で、成功している方は何人も見ています。
この場合、軌道に乗り始めたら行政書士専業となっている方が多いです。この見極めも難しそうですね。
③使用人行政書士

行政書士事務所などで、補助者ではなく、行政書士として仕事をするのが使用人行政書士です。
時給で仕事をするケースが多いようで、時給1,000円という数字をよく耳にします。
面倒なものや、単調な事務作業を任されることが多いためか、長く続かない人が多いように思えます。
また、事務所の方針等に合う合わないも出て来ますので、個性の強い方には向いていないかもしれません。

 

それでは次に、独立開業して行政書士として仕事を始めた場合、どんなことが変わるのか、考えてみましょう。
独立開業の場合
①仕事(個人事業ではなく、サラリーマン)を辞めて開業

もらうお金は給与ではなく、報酬(売上)となります。
社会保険(年金、健康保険)、住民税は自分で管理する必要があります。
労働保険(雇用保険、労災保険)には加入出来ません。
個人事業主という扱いになり、確定申告する必要が出て来ます。
上司や雇い主からとやかく言われることなく、自由に仕事をすることが出来ます。

 

②仕事をしていない状態から開業

個人事業主という扱いになり、確定申告する必要が出て来ます。
※すでに不動産収入等の不労収入があり確定申告している場合は、申告する項目が増えます
扶養に入っている場合、収入によっては抜けることになります。

 

個人事業主とサラリーマンの違いを考えよう

 

サラリーマンは会社に時間を拘束される分、面倒な社会保険や税金の手続き等をすべて会社にしてもらえます。
これに対し個人事業主として独立した場合は、すべて自分で手続きしなければいけません。年金は厚生年金から国民年金に変わり、厚生年金のように会社負担分はありません。
毎年の健康診断も、市町村で実施されるものや医療機関など、自分で手配して受診しなければいけません。
そして個人事業主は雇用保険にも加入出来ないため、会社を辞めた時に国からもらえる失業手当等ももらえません。
但し、その分すべてが自分で決められるという自由があります!
嫌な上司と一緒に仕事をする必要がなくなり、好きな時間に好きな場所で仕事をすることも可能です。休みたい時に休むことだって出来るのです。
また、経費という考え方が出来るようになるため、交際費や備品・消耗品費等を使う場合、事業に必要なお金として経費扱いにすることが出来ます。その分は収入に入らないので、所得税や住民税の計算の対象にはなりません。
個人事業主になると、お金の管理をしっかりとやって行く必要があります。向き不向きもあるかもしれませんが、お金の管理は税理士さんに任せるなど、うまくアウトソーシングしながら進めて行くやり方もあります。

サラリーマンVS個人事業主

 

開業届と青色申告承認申請書

 

新たに事業所得が発生する事業の開始をした場合、所得税法第229条に基づき、個人事業の開業届出手続きをする必要があります。
提出時期は、原則的に事業の開始事実があった日から1月以内となります。所定の届出用紙を納税地の所轄税務署へ持参または郵送により提出します。この届出を一般的に開業届と言います。
この開業届と一緒にしておきたいのが、青色申告の承認申請です。業務を開始した日から2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署へ提出する必要があるので、開業届と一緒に申請することをお勧めします。
この青色申告の申請をすることで、確定申告の際に10万円または65万円の控除を受けることが出来、他にも専従者給与、純損失の3年間繰越などの特典が受けられます。
尚、65万円の控除を受けるためには、日々の帳簿を複式簿記で作成する必要があります。記帳用のフリーソフトも出ていますし、経営者として帳簿管理は必要不可欠ですから、日々の作業として加えて行きましょう。

 

開業するためにはいくら必要なのか

 

開業資金については、次のように考えるといいでしょう。

 

開業資金=(①+②+③)×6ヶ月分+④

①毎月の生活費(家賃、光熱費、携帯電話、社会保険、食費、衣類・趣味など)
②事業の固定費(事務所・店舗家賃、光熱費、通信費、借入金の返済など)
③事業の変動費(仕入代金、交通費、備品・消耗品費、交際費など)
④設備資金(事務所などの賃貸契約時にかかるお金、設備・備品など)

 

例えば結婚していて、配偶者の収入で生活できる人などは、①の生活費が必要ないでしょうし、事務所や店舗を借りない場合は、②と④がほぼ要らないと思います。
事業の種類やスタイル、自分の預貯金や家族構成など、色々考慮した上で、自分の開業資金はいくら必要なのか、しっかりと把握しておきましょう。

 

また、ここで計算した①+②+③の金額が、毎月の損益分岐点となります。
つまり、少なくとも①+②+③の合計金額は売り上げないと生活出来ないということです。
特に②の固定費は必ず出て行くお金なので、事務所・店舗を借りる際や借入を考える時に、いくらまで大丈夫なのか、赤字を出さない経営を考えて行きましょう。

 

来月の「開業について考えよう その2」では、出来れば開業前に知っておきたい事業経営の基礎知識について書いて行きます。
すでに開業している方には、ぜひ事業の見直しに使っていただきたいと思っています。