行政書士開業を悩む人に伝えたい3つのこと
行政書士開業を悩む人に伝えたい3つのこと
毎年3月、4月に開業についての勉強会を開催していますが、参加者の悩みは本当に様々で、今年も次のような質問をいただきました。
- 事務所を借りた方がいいのか
- PCは何を買ったらいいのか
- 地元と都心、どちらで開業した方がいいのか
- 名刺はどのように作ったらいいのか
- 専門業務はどうやって決めたらいいのか
勉強会では、どうやって仕事を取るのか、どうやって集客するのか、マーケティングとは何かなどの講義がメインですが、実は参加者の悩みは、もっと手前にあるんですよね。
私自身の開業時のことを考えると、気持ちはよく分かりますし、状況も想像しやすいです。
そして、行政書士の開業の大変さは、開業に関する情報が少ないことが一番の原因じゃないかと私は思っています。
そこで今日は、開業の悩みを少しでも軽くするための3つワークをお伝えします。
不安の原因は、知識不足と見えないゴール
合格したものの、実態がよく分からない行政書士という仕事。
そんな状態で、開業して大丈夫なのかと悩む人も多いはずです。
結論から言えば、大丈夫です。
なぜなら、みんなその状態で開業しているからです。
ただし、開業して生き残っているのかどうかとなると、話は違って来ます。
行政書士として開業して、3年継続出来るのは1割とも言われています。かなり厳しい数字ですね。
だけど、開業の現状を見ていると、それもちょっと納得してしまいます。
仕事を取る以前の問題で悩み、開業後のイメージも持てず、何となく作ったホームページは更新せず、継続している活動もないのでは、1年続けるのも精神的にキツイはずです。
行政書士試験に合格した私たちは、1つのゴールを達成しました。
ゴールは合格。
学校に通ったり、Webで勉強したり、通信教育を利用したり、方法は様々だと思いますが、それぞれにゴールに辿り着く勉強をしたはずです。
それほど簡単な試験ではありませんから、必死に勉強したはずです。
その中で、この方法で勉強すれば合格する!というものを見つけ、結果、合格を手にしたのでしょう。
つまり、合格というゴールに向かい、方向を示すコンパスを持ち、その結果、合格を手に入れたのです。
合格というゴールがあっても、どうしたらそこに辿り着けるのかが分からなければ、合格は出来ません。
開業も同じことだと思いませんか?
行政書士の開業の場合、ゴールが何かさえ設定出来ない人がとても多いのです。
そのため、軌道に乗ることも、継続することも難しいのでしょう。
行政書士を続けるのに必要なのは、想いとお金
では、開業して3年続けるためにはどうしたいいのか。
これを開業前に知っているのと知らないのでは、結果が違って来るはずです。
私自身の経験と、継続している先輩行政書士の方のお話を聞いて思うのは、続けるためには、まず「想い」が必要だということです。
なぜ行政書士になったのか、どんな行政書士になりたいのか、これがない人は、続けるのは難しいでしょう。
「想い」を形にするビジョンが描けなくては、歩いているうちに、方向を見失ってしまいます。
「想い」は何も、行政書士としての具体的な姿でなくてもいいと思います。
例えば私の場合は、私の家族のような「目立たない普通の人間も輝くことが世の中にしたい」という想いがあります。
大きな声で自分の意見をハッキリと言えない人間は、評価も普通でリーダーになれないような世の中を変えたいという想いです。
そのためには、まずは私のような普通の人間が独立開業して、それなりの結果を出すことで、自分にも出来る!と、家族に思ってもらうことを目標にしようと考えました。
結果、世の中に対してネガティブで消極的だった夫と娘は、私の開業前とは比べものにならないくらいのびのび仕事をしています。
私が厳しい世界で頑張って、少しずつ結果を出すことで、家族も前向きになっているようです。
一緒に未来の夢を話すことも多くなりました。
世の中を変えるのは難しいですが、自分の家族や自分の周りの人を変えることは、自分が変わることで出来る場合があります。
まずは自分から。自分を変えて、周りを少しずつ変えて行く。
これは、家族や周りの人が幸せになって行く姿を見たいという「想い」から、継続した活動につながっています。
そしてもう1つ、お金も必要です。
開業資金を気にする人が多いですが、それ以上に、売上につなげ、お金を稼ぐ方法を身に付けることが大切です。
コツコツ資金を貯金することも大切ですが、一日も早く毎月着実にお金が入って来る状態を作る必要があります。
そのためには自己投資も必要でしょう。
稼ぐためには、ある程度使うことも必要になって来るのです。
例えば、仕事を依頼されるためには、自分自身や、自分の商品・サービスを知ってもらうことが必要です。
知ってもらうためには、チラシや広告、Webサイト(ホームページ)やブログ、FacebookなどのSNS、会合への参加などが必要でしょう。
これらはすべて、ある程度の費用が発生します。
開業資金の必要性は、実はこの辺にあることに気付くのは、開業して1年後だったということも珍しくはないようです。
だって、誰もおしえてくれませんから。
勉強会でもお話ししていますが、私は開業の際に数百万というお金を使いました。
セミナー、勉強会、成功している人に会う費用だけでも、開業数ヶ月で100万以上使っています。
どうしても最短で成功したかったからです。
そこで手にしたのは、3年で1000万円を売り上げる事務所にするという、最短の計画です。
3年継続するために必要なのは、2年目に500万円を売り上げて軌道に乗せることだと私は考えます。
実はこれは、現実的にはとても難しいことのようです。
それでも、実際に出来ている人はいますし、最初からそこを目標にしていれば、出来ない話ではないのです。
2年目に500万の売上を可能にした時に作ったのが、このショッシー★サロンというWebサイトです。
2年目に500万を売り上げるために、1年目に何をしたらいいのかを伝える場所を作りたいと考えました。
さらに、3年目以降の私の動きを見てもらおうと思いました。
これな、自分にとっては大きなプレッシャーですが、日々の動きを見てもらうことで、売上につなげる方法が具体的に分かるのではないかと思ったのです。
今は、会員制のサイト「ショッシーオンライン」もスタートし、公には発信しづらい仕事やノウハウも書いています。
実際の動きを見てもらい、少しでも参考にしてもらえたらと思っています。
行政書士で開業したい人に伝えたい3つのワーク
行政書士だけでなく、独立開業して軌道に乗せるまではとても大変な時期があります。
0を1にするのですから、最初は大変なのです。
だけど、1になってからは、それを2にすることは、最初ほど大変ではないはずです。
最初を乗り越えること。これが軌道に乗せるための第一条件です。
そのためにやってほしいワークを3つ、ここでご紹介します。
ぜひ実際に手を動かして取り組んでみてください。
必ず何か、変化があるはずです!
①助けたい人、幸せにしたい人を書き出す
これはターゲットと呼ばれるものですが、事業を継続する上で、ターゲットはとても大切になります。
ターゲットを絞ることが大切なのではなく、自分が助けたい、幸せにしたいと思う人をターゲットにすることが大切です。
自分が「誰のために役立ちたいのか」が決まっていると、軸がぶれないですし、ターゲットに伝わりやすい事業になります。
具体的にどんな人なのか、誰なのか、次の質問に沿って書き出し、時々見直してみましょう。
-
あなたは誰を助けたいですか?
-
あなたは人にどんな喜びを与えたいですか?
-
あなたにとって幸せとは何ですか?
-
あなたは仕事で何を達成したいですか
最終的に、自分がどうなりたいのかを常に考えながら行動するといいでしょう。
②3年目の売上目標から開業1ヶ月目の売上目標を決める
売上目標金額を具体的に決めることは、とても重要です。
ここで無理な数字を設定してしまい、息が続かなくなってしまう人が多いので、目標設定は慎重に行いましょう。
私がお勧めする目標金額の計算方法は、次の通りです。
3年目の売上目標 ÷ 4 ÷ 12 = 開業1ヶ月目の売上目標
例えば3年目の売上を1000万と決めたら、2年目は500万、1年目は250万になります。(1000万÷4が1年目の売上目標)
これを12で割ると、開業1ヶ月目の売上目標になります。
250万÷12カ月=約21万ですね。
次に、1ヶ月に21万を売り上げるには何を何件受任したらいいのか考えましょう。
この時に、①のターゲットのための仕事で考えてみてください。
③日銭、高額、タダでもやりたいこと
仕事を考える時には、日銭、高額、タダでもやりたいこと3つに分けて考えることをお勧めします。
まずは、日銭です。
数百円、数千円で、すぐに手に入る仕事にはどんなものがあるか。
これも、①のターゲットに向けた仕事で考えてみましょう。
次に、高額商品。
これは、すぐには入って来ませんが、1ヶ月の目標金額と同額の高額商品を用意しておきましょう。
例えば②の計算では、最初の1ヶ月の目標が21万円になったので、1件21万円の商品・サービスを作ります。
2年目、3年目になると、売上目標金額が上がる分、さらに高額になって行くイメージです。
最後にタダでもやりたい仕事です。
これは、①のターゲットを助けるために、タダでもいいからやって行きたいことです。
社会貢献をしたいと考えている人なら、ここはすぐに思いつくのではないでしょうか。
良いことをしていれば、それはいつか認められ、思いがけない展開があると私は信じています。
最初はタダでも、良い仕事であれば、数年後には大きな価値になって行くのではないでしょうか。
上の3つのワークに取り組んでいただくと、自分が行政書士として開業してやって行きたいことがイメージが、かなり具体的になって来ると思います。ぜひ、実際に書き出しながら、取り組んでみてください!
開業一年目は分からないことが多く苦労も多いと思います。
もし、行政書士の勉強会を探している場合は、毎月開催していますので、次のページを時々チェックしてみてください。