行政書士の安定収入には信頼関係を築くことが重要

行政書士の安定収入には信頼関係を築くことが重要

行政書士の収入が安定しない原因の1つに、単発型の仕事が多いことが挙げられます。
許認可や相続手続きなどの仕事は、一度完了してしまうと、そこでお客様との関係は終了します。
そのため、毎月新しい仕事を手に入れる必要があり、消耗してしまうのです。

私が開業当初から目指していたのは、この単発の仕事を追わなくて済む状態、つまり、継続型収入の獲得です。
継続型収入とは、分かりやすいところでは、顧問契約を結び、毎月定額で売上を手に入れるものです。

結論から言うと、私の開業一年目の継続型収入は、月額で約14万5,000円でした。
行政書士が初年度から継続型収入を手に入れることは出来ます。
今日はこの継続型収入の肝となる信頼関係について書いて行きます。

開業1年目から継続型収入を作ろう

私が開業当初からこだわってきた継続型収入ですが、これは、その都度受任して報酬をいただく単発型の収入とは違い、毎月決まった金額をいただく形です。

弁護士さんや税理士さん、社労士さんにとっては当たり前の顧問契約という継続型収入が、行政書士には取りにくいと言われています。
行政書士の収入が安定しないのは、この継続型収入が取れないからだと言ってもう過言ではありません。
だからこそ私は、開業一年目に、まずは継続型収入を作り、事務所家賃等の固定費を捻出することを目標にしました。

継続型収入の代表と言えば、会費かもしれません。
スポーツクラブやシェアオフィスなど、私たちには毎月支払っている会費が、1つはあるはずです。

もっと身近なものでは、携帯電話や光熱費、駐車場代など、日常生活の中で、私たちが毎月支払っている費用は、たくさんあります。
これは、誰かにとっての継続型収入です。
これだけ身近に継続型収入が溢れているのですから、工夫しだいでは、こちらがもらう立場になれるはずです。

開業1年目の売上の少ない時こそ、継続型収入を作って行きたいものですね。

 

継続型収入は少しずつ増える <経験談>

開業1年目の継続型収入は、事務所家賃や光熱費、通信費をカバーできる金額になりました。
その後、減ったり増えたりはありましたが、固定費よりも多いストック収入は常にキープすることが出来ました。
さらに3年目に入ってからは、減ることはなく、少しずつ増え行きました。

振り返ってみて思うことは、継続型収入につなげるには、何よりも信頼関係が重要です。

例えば、障害福祉サービス施設の指定申請をして、その後、毎月の給付金請求業務につなげて行けば、継続型収入につながります。
これは、それほど難しくなく提案できると思いますし、作業自体はエクセルが分かれば問題なくできるはずです。
ところが、法改正や施設の実情、役所の事務処理との兼ね合い等を把握していないと、思わぬミスにつながることもあります。

私が担当している障害福祉サービス施設では、利用者全体で15箇所の市町村との絡みがあるため、1つのミスが大変な作業につながります。
それぞれの市町村で、対応が違いますし、役所側のミスもたまにあります。
ミスのないように処理するのは当然のことですが、防げないものもどうしても発生します。

ここで大切なのは、その時の対応の仕方です。
ミスを隠すなんてもってのほかで、とにかくまずは謝り、状況を説明し、すぐに処理すること。
この対応が、逆にミスが無い時よりも、信頼につながることもあるのではないでしょうか。
私自身は、何度かこの状況を乗り越え、施設の代表やスタッフの皆さんと、良好な関係を築けていると感じています。

大切なことなので、もう一度言うと、信頼関係を築くために大切なのは、ミスをしないことよりも、ミスをした時の誠実な対応です。

 

信頼関係が継続型収入を作る

継続型収入は、毎月継続的に入って来るため、売上が安定するだけでなく、少しずつ増やすことが出来る収入です。
行政書士のように単発型の仕事が中心になりがちな場合、意識的に取って行きたいものです。

継続型収入を手に入れるヒントとしては、自分が相手に対して毎月何をしてあげられるのか、ということです。

毎月継続的に報酬をいただくということは、毎月継続的にサービスを提供するということです。
どんなサービスを提供できるのか、相手はどんなサービスを求めているのか。
それが分かれば、継続型収入を手に入れることが出来るでしょう。

サービスの内容はもちろんですが、この時にもう1つ考えておきたことがあります。
それは、相手が毎月に会いたい!と思ってくれるかどうかです。
極端な話、サービスが無かったとしても、「毎月あなたに会いたい!」と思ってもらえれば、継続型収入につながるはずです。
この「毎月会いたい!」と思ってもらえるかどうかは、信頼関係が大きく影響するでしょう。

人は感情で動きます。
好き、嫌いの感情は、人間関係にも大きく影響します。
仕事であっても、感情を切り離すことはなかなか難しいと思います。
相手の気持ちになって考え、相手が求めているものを提供し、誠実に対応することが、相手の感情に信頼をもたらすのでしょう。
これが、一般的にコミュ力と呼ばれているものなのかもしれません。

それから、嘘は、思っているより簡単にバレるものです。
心を開き、本当のことを話すことも、相手に信頼してもらう前提条件ではないでしょうか。

継続型収入というと、マーケティングの話にはなりますが、根本には「信頼」という重要なものがありそうです。
特に、顧問契約を取りたい場合は、信頼関係が重要になるでしょう。

開業1年目に継続型収入を取るのは難しいのでは?という疑問も湧きそうですが、信頼関係を作るのは人間性が大きく影響します。
開業年には関係ない部分もあるはずです。
行政書士になる前に得た経験や知識もあるはずですから、行政書士以外の専門知識も生かして行けば、可能性も広がるでしょう。

私の場合は、最初のストック収入は、Webサイト(ホームページ)の管理費でしたが、これは友人のITエンジニア2人と会社を作り、行政書士と並行してWebサイト制作に携われたことで可能性が広がりました。
自分自身に専門知識がない場合は、人に力を借りることもお勧めです。
もちろん、誰かの力を借りる場合も、信頼関係が必要になりそうですね。

 

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