行政書士の年商1,000万は、年収いくらなのか

行政書士の年商1,000万円は年収いくらなのか

前回、行政書士で年商1,000万は思っているほど難しくない、という記事を書きました。 今日はその続きで、行政書士で年商1,000万を売り上げたら、年収はいくらになるのか、というお話をします。

年商と年収の違い

まずは、言葉の定義を解説します。「年商」と「年収」の違いです。

時々「年商」と「年収」を混同している人を見かけますが、この2つはまったく違うものです。
違いを簡単に説明すると、次の通りです。

  • 年商:1年間の売上のこと
  • 年収:1年間の収入のこと

会社員やアルバイトの場合、雇用先からもらうお金は「収入」なので、1年間にもらうお金は年収になります。
これに対し、行政書士として開業した場合、お客様からいただくお金は「売上」となり、1年間の売上は年商となります。
この「年商」から経費等を引き、自分の手元に入って来るお金が「年収」となります。
この「年収」から、税金や生活費を払うことになります。

単純に考えると、「年商」から「年間経費」を引いたものが「年収」です。

年収は手元に残るお金ではない

「年商」が1年間の売上であって、収入ではないことが分かっていただけたところで、次の手元に残るお金について考えて行きましょう。

例えば結婚相手の条件などを話す際に、「年収〇〇円以上で」という言葉を耳にしますね。
あるいは、「〇〇部長は年収1,500万円らしいよ」と、管理職の給料の話が社員の間で出て来ることもあるでしょう。

年収1,500万と聞くと、「年間で1,500万もらえたら、生活に余裕が出るな」と考えがちですが、年収と手元に残るお金が違うことも覚えておくといいでしょう。

実は一番気になるところは、手元に残るお金ではないでしょうか。
これは、単純に考えると「年収」から「税金」や「社会保険等」を引いたものになります。
個人事業で言うと、「年商」から「経費」と「税金」と「社会保険等」を引いたものです。

この「税金」と「社会保険」については、毎年少しずつ上がっています。

例えば「税金」については、消費税が何度か改定になっています。今後も上がる可能性があるでしょう。
「社会保険」については、例えば厚生年金および国民年金保険料は、平成16年から年0.354%ずつ上がっています。
こちらも引き続き上がっていくことでしょう。

「年収」を考える時、税金と社会保険料は切っても切れない関係ですが、ここにこだわらない人は意外と多いと思います。

確かに、こだわったところで制度は変わりませんが、引かれるものを意識することで、自分がいくら使えるのかが明確になります。
これは、個人事業をやって行く上で、経営者として必要な考え方ではないでしょうか。
「思ったよりも手元にお金が残らなかった、どうしよう」では、経営者は務まらないはずです。

それでは最初に戻り、行政書士の年商1,000万について、年収にするいくらになるのか考えてみましょう。

年商1,000万円の行政書士の年収は

行政書士が個人事務所で開業する場合、個人事業主となります。
個人事業主の「年収」は、単純に考えると「年商」から「経費」を引いた金額になります。
事務所を借りる借りないで経費は違ってくると思いますが、例えば次のような経費で考えてみましょう。

  • 事務所家賃 8万円
  • 光熱水道費 1万円
  • 通信費 1万円
  • 広告費 5万円
  • 交通費 5万円
  • その他 5万円    合計25万円/月

月25万の経費の場合、年間で300万になります。
つまり、年収は700万です。

ここから税金と社会保険料等が引かれます。

最近は便利なサイトがあり、次のサイトで個人事業主の年商と経費を入力すると、所得税・住民税と国民健康保険料が計算されます。

かんたん税金計算シミュレーション

例えば、年商1,000万、経費300万の場合、所得税・住民税と国民健康保険料の合計は、青色申告の場合199万3千円です。
これに国民年金16,410円×12ヶ月=196,920円を足すと2,189,920円なので、手元に残るのは4,810,080円になります。
月40万くらいです。
思ったより、余裕がない金額に見えますね。

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駆け出し行政書士

年商1,000万円でも、月に40万しか手元に残らないのかー。意外ときびしいなー

それでは、経費を変えず手元に1,000万残すには、いくら売り上げたらいいでしょうか。
これも、上のシミュレーションサイトを使うと簡単に出て来ますね。

答えは、年商1,360万です。

売上を伸ばすために経費がかかることを考えると、年商1,500万くらい上げて、手元に1,000万残るイメージでしょう。
税金や社会保険料等は、容赦なく降りかかって来ますから、経営者としてもしっかりと考えていきましょう。

手元のお金を増やすためには、収入(売上)を増やすか、経費を減らすしかありません。
今月も厳しいなーと落ち込んでいる方がいたら、一度しっかりとお金と向き合うことをおすすめします。

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かみやま

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