行政書士開業の10のポイント その2

行政書士はじめの一歩 第2回
悩みの多い行政書士の開業。何を知っておけばいいのだろうと、最初の一歩を踏み出せずにいる方も多いはずです。
そこで、独立開業する行政書士に必要な事業経営とマーケティングの10のポイントをお話して行きます。
第2回目では、開業資金についてイメージして行きましょう。
開業にはいくら必要なのか
行政書士試験に合格し、開業を考えた時、まず頭に浮かぶのは開業資金のことではないでしょうか。
これまでに様々な開業講座の講師を務めて来ましたが、実は一番多い質問が「開業資金はどれくらい必要ですか?」というものです。やはり、お金の話は気になりますよね。
開業資金については、次のように考えるといいでしょう。
開業資金=((1)+(2)+(3))×6ヶ月分+(4)
(1)毎月の生活費(家賃、光熱費、携帯電話、社会保険、食費、衣類・趣味など)
(2)事業の固定費(事務所・店舗家賃、光熱費、通信費、借入金の返済など)
(3)事業の変動費(仕入代金、交通費、備品・消耗品費、交際費など)
(4)設備資金(事務所などの賃貸契約時にかかるお金、設備・備品など)
例えば結婚していて、配偶者の収入で生活できる人などは、(1)の生活費が必要ないでしょうし、事務所や店舗を借りない場合は、(2)と(4)がほぼ要らないと思います。事業の種類やスタイル、自分の預貯金や家族構成などを考慮した上で、実際、自分の開業に資金はいくら必要なのか、しっかりと把握しておきましょう。
また、ここで計算した(1)+(2)+(3)の金額が、毎月の損益分岐点となります。
つまり、少なくとも(1)+(2)+(3)の合計金額は売り上げないと生活出来ないということです。
特に(2)の固定費は必ず出て行くお金なので、事務所を借りる際や借入を考える時に、いくらまで大丈夫なのか、赤字を出さない経営を考えて行きましょう。
<例>
(1)毎月の生活費100,000円
(家賃・光熱費・携帯・社会保険・食費・衣類・趣味)
(2)事業の固定費 79,500円
<内訳>
・事務所家賃58,000円
・事務所光熱費11,500円
・通信費(電話・携帯・インターネット)10,000円
(3)事業の変動費 48,000円
<内訳>
・交通費15,000円
・備品・消耗品・書籍 8,000円
・交際費10,000円
・会費(セミナー等)15,000円
(1)+(2)+(3)=227,500円 ・・・ 1ヶ月に売り上げないといけない金額
(4)設備資金764,000円
<内訳>
・事務所敷金、保証金等464,000円
・PC、プリンター、机、事務用品等300,000円
開業資金=1,365,000+764,000=2,129,000円
上の計算は、開業の一例ですが、事務所を借りて開業する場合の資金は、決して少なくないことが分かりますね。
また、これは月々にかかるお金の6か月分を手元に置いて開業し、6ヶ月間で軌道に乗せる計算ですから、それに合わせた事業計画を立てることも大切です。
さて、次回は「事業を考える上で一番大切なこと」というタイトルで、事業の考え方についてお話します。お楽しみに!!