行政書士が開業時に学ぶのは、実務なのかマーケティングなのか?
行政書士が開業時に学ぶのは、実務なのかマーケティングなのか?
行政書士という資格は、数ある国家試験の中でも、独立のしやすさは一番と言えるのではないでしょうか。
行政書士試験自体の受験資格も学歴や国籍を問いませんし、合格すれば、実務経験なしで開業出来ます。
独立目的で試験勉強をした私にとって、こんな素晴らしい資格はありません。
ところが、実務経験なく開業出来る分、開業してから学ぶことがかなりたくさんあります。
その中でも、仕事が来た場合に困る実務の勉強と、仕事を取るしくみを作るマーケティングの勉強は、必須科目と言えるでしょう。
限られた時間に何から学んだらいいのか、今日はその辺りを書いて行きます。
実務の勉強に重きを置く人が多い理由
私の印象では、開業を決めると、実務の勉強を熱心にする人が多いです。
自分が取り組みたい業務がある程度決まっている人は、その業務を中心に、決まっていない人は、主な業務を満遍なく学んで行くようです。
これには、行政書士試験勉強の延長という流れがありそうです。
多くの人は、資格試験の専門学校を利用し、行政書士の資格を取ります。
その後、学校の合格祝賀会などに参加し、実務の講座に案内されると、一応取り組んでおこうかと考えます。
学校は売り方を知っていますから、講座の説明を聞いていると、受講した方がいいなと考える人は多いのです。
もちろん、あらかじめ実務について学んでおくのは良いことだと思います。
私も開業前から、実務がどんなものなのか知りたいと考え、いくつかの勉強会に参加しました。
たくさんの資料をもらうだけで、参加して良かった!と、満足したものです。
ところが、実際その仕事が来ることはなかったり、来たとしても、勉強会の資料だけで何とかなるわけではないと、その後気づくことになりました。
実務については、ケースバイケースだったり、地域や担当者によってやり方が違ったり、お客様によっても進め方が変わって来ます。
資料をめくっても、本やネットで調べても、分からないことは多いものです。
また、実務の勉強が生かせるのは、あくまでも仕事が来てからです。
仕事を取るのが何より難しい開業1年目には、実務の勉強に時間をかけてしまうと、ますます依頼が遠ざかるというリスクもあります。
マーケティングを学び実践してこその受任
仕事をもらうしくみを作るには、マーケティングを学び、実践することが必要です。
これについては、行政書士の場合、開業1年目から重視している人が少ないように思えます。
マーケティングとは、自分が依頼されるために、市場を知り、お客様の悩みを知り、広告や発信で自分や自分の商品・サービスを知ってもらい、お客様から問い合わせをもらい、解決策を提示することで依頼され、仕事に対する対価をもらうまでの流れを作ることです。
依頼され、対価をもらうまでの流れは、そんなに簡単には作れませんが、一度作ってしまえば、流れに乗って売上が安定します。
さらにしくみを改善することで、売上が伸びて行きます。
私は開業一年目から、マーケティングを重視することで売上を安定させたいと考えていました。
それをブログなどで発信したところ、同業の行政書士から、反発を食らうこともありました。
実務を勉強するのが正しい姿のような風潮を感じました。
なぜ私がマーケティングを重視していたかというと、売上を伸ばしている行政書士は、口をそろえて「マーケティングを一年目からやっていれば良かった」と言っていたからです。
売上を安定させたいと考えていた私は、売上を伸ばしている行政書士の言葉を信じようと思いました。
マーケティングで仕事を取り、経験を積んで実務を極める
現在開業7年目となり、売上も安定して来た私の意見は、当然、マーケティングも実務もどちらも大事ですが、やはり軌道に乗せるためには、マーケティングは欠かせないというものです。
開業一年目の悩みと言えば、なかなか仕事につながらない、ということでしょう。
つながらないのは何故かというと、仕事につながることをしていないからです。
そう、マーケティングが足りないのです。
一言にマーケティングと言っても、やるべきことはたくさんあります。
一日二日で完成するものではありません。
時間がかかることに焦るようでは、継続する事業を作るのは、難しいとも思います。
開業して軌道に乗るためには、2年、3年かかるのは当然だというマインドも必要になって来るでしょう。
時々、「いやいや、自分は1年目から軌道に乗せますよ!」と言って来る人がいますが、その人たちが軌道に乗った話は聞きませんし、どうしているのかも分かりません。
軌道に乗るまでの行動は、本当にコツコツと地道な積み上げを繰り返すだけです。
それ自体、分かっている人が少ないように思います。
マーケティングも実務も、どちらも大事なのは間違いありません。
ただし、売上安定のためには、地道にマーケティングを極めて行くことが大切です。
マーケティングで仕事を取り、売上を安定させ、実務をこなしながら経験を積み、実務を極めて行く。
この流れをイメージして行動することが、開業一年目から道を逸れずに済む方法ではないかなと思います。
行政書士向けのマーケティングや実務の勉強会を毎月開催しています。
開業に悩んだら、気軽に参加してほしいです。
モチベーションを上げる勉強会になっていますので、ぜひ!