行政書士事務所の名前の決め方 3つのポイント
行政書士事務所の名前の決め方 3つのポイント
事務所の名前って、みんなどうやって決めているんだろう?
決まりってあるのかなー?
行政書士の勉強会を開催する中で、たくさんの開業準備中の方にお会いしますが、事務所名で悩んでいる方は少なくありません。
事務所名といえば、事務所の顔のようなものです。
印象を決める1つの重要アイテムと言っても過言ではありません。
この記事では、大事な事務所名の決め方について、3つのポイントを解説していきます。
①行政書士会のルールを守る
1つ目のポイントは、行政書士会で決められた「事務所名のルール」を守ることです。
日本行政書士会連合会では、事務所の名称に関する指針というタイトルで、事務所名のルールを提示しています。
まずはこちらをしっかりと読んでおきましょう。
指針のポイントを簡単にまとめると、個人事務所の場合、次のルールが挙げられます。
- 「行政書士」を明示する
- 単位会の同区域で使われている名称を避ける
※個人名を使う場合はOK - 「法律」は使えない
- 他資格名称は使えない
- 行政の主体と誤認される名称は使えない
- 行政書士の品位を害する名称は使えない
まずは指針をしっかり読んで、ルールを守った名称決めをして行きましょう。
②読みやすくわかりやすい
2つ目のポイントは、他人にとって、読みやすくわかりやすいことです。
行政書士として開業すると、事務所に看板や表札を掲げたり、名刺を作成すると思います。
これはすべて、自分の満足のためではありません。
これからお客様や提携先となる方に対して、自分の事務所の存在を知ってもらうためのものです。
知ってもらうことは、事業の第一歩であり、土台を作る部分でもあります。
「なんて読むんだろう?」
「なんの事務所なんだろう?」
「思想の強そうな名前だなー」
そんな印象を持たれるような名前の場合、圧倒的に不利です。
例えば自分の名前を使う場合は、代表者が見えて来る名称になるでしょう。
専門業務に関わる名称にすれば、何をしている事務所なのかがすぐに分かるはずです。
他人の目線になり、どんな印象を与える名前なのか、すぐに読めるのかという点からも、考えて行きましょう。
私の事務所名の由来
私の事務所名「かみやま行政書士事務所」は、名字である「上山」が意外と正しく読まれないため、ひらがなを使うことにしました。
「上山」というのは、上と山という簡単な漢字で構成されていますが、実際は「うえやま」とか「やまがみ」とか、酷い時には「山村」や「村上」と間違えられることもあります。
メールのやり取りで間違えられることがしょっちゅうなので、「上山」をそのまま使うのは不利だなと思いました。
また、「行政書士事務所」を使う場合、その前に付ける名称まで漢字にしてしまうと、重く見える場合もあると思います。
「かみやま」とひらがなにすることで、読みやすくなる上、少し柔らかさも追加されます。
女性が代表の事務所なので、柔らかい印象を与える事務所名が向いていると考えました。
③事務所名は最初の決意表明
3つ目のポイントは、事務所名に開業の想いや目的を入れることです。
行政書士事務所で開業するということは、行政書士という資格を使って経営者になるということです。
経営をする上で、看板になる事務所名は、最初の決意表明と考えるといいでしょう。
どんな事務所にしたいのか、何を達成したのか、自分は行政書士として何をしたいのか、また、他の事務所と自分の事務所は、どんな違いがあるのかということが、事務所名に表れているといいと思います。
ポイント2でも書きましたが、代表者の顔が見える名称や、専門業務が想像できる名称等も、この決意表明につながります。
地域や専門業務が見える名称については、お客様が選ぶ時の判断材料にもなりそうです。
地域根付いた事務所、専門がしっかり決まった事務所という見せ方は、戦略的とも言えます。
また、女性の場合は、女性の名前を入れるだけで他事務所との差別化で出来るでしょう。
行政書士はまだまだ男性社会ですから、そこを逆手に取れば、簡単に差別化が出来ます。
私も女性ですが、ご高齢者や同性から「女性だから話しやすいと思って先生の事務所に電話しました」と言われることが多いです。
事務所に女性の名前は入れていませんが、「かみやま」とひらがなにすることと、ピンクの入ったロゴマークにすることで、女性の雰囲気を出しています。
ロゴマークとの組合せで企業理念を表して行くことも、経営の第一歩として大事なことだと思います。
自分の名前を事務所名にする方も多いと思いますが、その際も、単に自分の名前でいいやというのではなく、自分が事務所の代表としてやって行くんだという決意表明だと考えると、事務所経営に対する考え方も変わってくるはずです。
事務所の顔となる事務所名。
まずは上の3つのポイントを意識して、考えてみてはいかがでしょうか。
煮詰まった時には、家族や先輩行政書士に相談してみるのもいいかもしれません。