行政書士開業準備のことを書こう その3退職を決めた日

行政書士開業準備のことを書こう その3退職を決めた日

行政書士という資格は、合格するとすぐに開業できる数少ないものです。
すぐに開業できるため、経験や実績がないままスタートする人が多く、多くの人が開業直後に途方に暮れます。
なぜなら、開業にはルールや正解がなく、何をしたらいいのか、自分で決めないといけないからです。

もちろん私も、開業直後に途方に暮れた一人です。
何とか開業3年目に、業界10%の年商1000万を達成しましたが、今考えると、数々の失敗の中で、安定した売上のつくり方を手に入れたおかげです。

今日はそんな私の開業当初の行動について、失敗談も含めお伝えします。
開業を迷っている方、開業して途方に暮れている方に、少しでもお役に立てると嬉しいです。

退職を後押ししたもの

行政書士試験合格直後の3月の終わり、突然自分の部署が吸収合併される話を上司から聞かされました。

実はそれまで、こちらが吸収合併する方だと聞かされ、相手の会社との会議にも、会社トップと一緒に出席していたのです。
それも1年前から。
話が違う!と思いました。
すっかり騙されていたのです。

もちろん、騙すつもりは無かったのかもしれません。
でもその時の私は、突然の話に、騙された!と感じました。
吸収合併する方とされる方ではまったく話が違います。

一旦退職になるのであれば、会社都合でもあるし、退職金の上乗せもあるだろう。
ここで会社を辞め、退職という流れもあるなと、まずは合併先の会社に移る条件を聞いてから考えようと思いました。

この条件が、色々変化したり、なかなか回答が出なかったり、5月の連休までの会社の対応は、決して誠意のあるものではなかったのです。

それまでなかなか手が届かなかった管理職のオファーは受けたものの、会社の未来も見えない、誠意も見えない、ポジティブに考えるのが難しい時、長めの5月の連休に突入しました。
開業も含めて考えようかなと、何となく事務所になりそうな物件探しをしていたところ、3万円台のワンルームは日当たりが悪く、駅から少し歩くことがわかりました。

毎日通う気になれないところにお客様を呼べるだろうか?
そんな疑問がわいた頃、駅前にこれはと思う物件を発見したのです!
見るだけみてみようと思い、夫も連れて行きました。

最終的には、夫の承諾も必要ですし、彼の性格から、気に入ると協力する可能性もあるからです。
実は、私の合格に一番浮かれていたのは、夫でした。
私がこのまま家の稼ぎ頭になることを信じて疑わなかったのです。

忘れもしない5月のよく晴れた日、私たちはフレンドリーな不動産業者に駅前の物件を案内してもらいました。
それは大通りに面してガラス窓があり、日当たりの良い部屋でした。
何でもオーナーさんに拘りがあり、飲食店やマッサージ店などを断り、ここ何年も空きになっているそうです。

行政書士さんだったら気に入るんじゃないかしら!

不動産業者も、私たちに好意的でした。
何とか士さんて役所の周りにかたまってるけど、利用する人からしたらこういう駅前にあった方が助かるわよねーと、私の考えにも賛同してくれました。

スケルトンの日当たりの良い部屋は、私たちの心をグッと掴むことになります。
この物件との出会いが私の退職を後押ししたのは、間違いないでしょう。

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